自由

バカンスを楽しむつもりだったのに
僕に課せられたものは、バカンスを過ごさなくてはならないという
なんとも重たい労役だったということに気付いてしまった。
なにがしたいというわけでもないのだ。
それなのに毎日毎日の足取りをこの耳で確かめ続けるくらいでしか
自分の役割を果たしようがない。
あの店でコーヒーをのむまでこの苛立ちが募るのはなぜだろう。

まるで柵の中に閉じ込められた牛のように

すぐ向こうに見える草はおいしそうだと思い始めたせいで

いつも運ばれてくる緑色の大好物がだんだん味気なくなるくらいなら

こんないい加減な牢獄から逃げ出して

不味い食べ物と永遠の自由がほしい。

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By GloomyWind 2003/3/18
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